試料の大きさはどのくらいあればいいでしょうか?
試料のサイズはどこまで許されるか.サンプルサイズは気になる所ですが,アイフェイズモバイルも装置に依存します.
M3 type1は,もっとも提要範囲が広く,試料台にのるのものであれば,無限に長いテープでも可能です.大きめの金属板でも問題なしです.ただし,横方向へ熱が拡散するため,見かけの熱容量が増大するため,ヒーターへの供給電圧を上げて対応します. 小さい方は,下の温度センサーのサイズ0.5x0.3mm程度が目安です.ただし,上下に接していれば,センサーより小さい試料でも測定できます.極小の粒でも,大きな試料の特定の箇所でも測定できます.ヒータとセンサーの感度分布があるため,当たる位置によって若干値がことなりますので,場所を変えて何点か測定します.位相測定なので,到達熱量の影響はほとんどないようです.単結晶など小さなものを試してみませんか.
M3type2は,温度制御する関係で,5mm角程度が安定的に測定できます.これも熱絶縁体である高分子では大きくても,極端にいって無限大でも測定できます.部分的に融解して変性しますが,切り出しにくい材料などトライしてみませんか.小さい方はうまく接触できれば0.05mm程度でも可能です.これも位相測定ならではで,type1と同様不規則試料でも厚み計内臓なので,接触間距離がわかることがメリットです.トライする価値はありそうです.
M10type1は,サイズは2-3cm角が推奨ですが,電極を完全に覆えれば小さくとも測定できます.およそ3x10mmです.大きい方は無限で,大きな板材や壁に聴診器にように押しつけて測定することができます.ついでに厚みは,厚い方が安定に測定できます.厚み無限でも測定できます.薄い方はバッキング材料の影響がでますので,注意が必要です.
M10type2は,センサー,センサー,ヒーターの三つのパーツを完全に覆い,かつ両サイドにはみ出す必要があります.はみ出す量は多い方が安定です.試料端からの反射の影響を防げるためです.形状は,繊維状,ひご状試料,平面試料でも大きい(長い方が有利です).短いものは測定できません.厚みは悩ましく,薄いと熱量が輸送されないのでノイズが問題になりますし,厚いと厚み方向への熱の流れが気になります.また特注ですが,三つのパーツ間距離を変えて高熱伝導性材料にも対応できます.