マニュアル測定時の条件設定について
マニュアル測定は,まずベースライン測定に必須です.ベースラインの周波数帯は,目的の試料の予想周波数帯を含むことが絶対です.その上で,たとえば4Hzから625Hzならば両者の平方根2と25なので,23divとすれば,周波数の平方根は整数になります.すべての結果を回帰して傾きを求めて関数近似しております.ただし通常は5次関数近似ですから,最低でも6divは必要です.また低周波数では,0.2-2Hzを0.1Hz きざみの様にdivからHz変更すると,わかりやすくなることもあります.
印可電圧(振幅にのみ反映される)は試料のないベースラインでは低めにします.熱容量がすくないので温度が上がるためです.通常は0.3V,高周波数では0.6Vぐらいとします.できれば狭い範囲でのベースラインを取得するようにします.たとえば0.2-4Hz ,2-81,49−625Hzのようにします.振幅が10000程度以内(できれば1000前後)になるような電圧を選択します.低周波数で,上にオーバースケールした場合は,configの位相欄に10-60°の範囲で入力します.
試料のマニュアル測定時の周波数帯はオートで求める値から若干ずれても問題ありません.オート測定の結果がベースですが,適当に測定し位相が180°になる周波数を探し,その二倍程度の周波数とで分割しても構いません.高熱伝導体,薄い金属箔などではオートが難しく,マニュアルが有効なことが多くなります.ベースラインの定義内に入っていることは言うまでもありません.金属のように横に熱が逃げる場合は,センサーでのアンプが100を下回ったりするので,3Vなどと大きめにします.
時定数は積算時間ですが,10秒を基本に,2Hz以下の低周波では50秒以上,正確に測定したい場合も長めにします.時定数x周波数が積算回数となります.時定数10秒で10Hz なら100回で一点のプロットとなります.
いずれにしろベースライン範囲内で測定することを確認すること.長時間の測定になりますから,中途での変動,環境変化に注意します.