アッペンツェル

アッペンツェルの民家

 印象に残るスイスの東部の村にアッペンツェルがある.1992年のことだから32年前.ハイジの牧場を想起させる山々の裾にある.素朴な家並みと花に埋もれていたと記憶している.村名を冠した山のチーズも懐かしい.で,ユーチューブで最近の村を調べたところ,その変貌ぶりに唖然とした.「スイスの田舎」のテーマパークとなっている.新しい建物も増え,花で飾られていた窓辺は,ペンキ画の花模様になっている.濃いめの赤を基調とした厚化粧の観光地となった.

 渋谷駅の西側は,パルコ,ロフト,マルイ,西武,東急,ハンズなどなど,若者を中心として賑わった文化発信の街と認識していた.外国人には,ハチ公とスクランブル交差点が日本的とかで人気というから可笑しなことと思っていた.久しぶりに歩いてみて,これも驚いた.東急もマルイも解体.歩いているのは観光客ばかり.日本の若者は雲散霧消.東南アジアとか中国系の方々が,買い物袋を下げて右往左往する交差点.それを撮影する西洋系の旅人.渋谷は東京のテーマパークになりさがった.アイフェイズ立ち上げの2002年,渋谷ハンズに部品を買いにいったおり,なんと小型旋盤が売られていた.店員は「未整備なので,6万でどうですか?」「調整はこっちでするから問題ないです」と入手して,いまだセンサーなどの製作に使用している.道具は長持ちしますね.インバウンドとか,観光とかは,移ろいやすい上,確実に何かを失わせるもののようです.ますます渋谷に出向くこともなさそうです. 「バイトある?」とバイトの子に聞く化石人