[アーカイブ]オランダの田舎から

吉川村の動物園? 食パンを投げ込んだりみんなやってきた!

書き手はアイフェイズ創立以来苦楽をともにした吉川昌治氏.新HPに再掲載いたします.
オランダ北部グローニンゲン州セバルドブーレン村。人口800人世帯数150。キリスト教系と公共の小学校が2校、教会が2、お店なし。アムステルダムからグローニンゲンへ汽車で2時間半、バスに乗り継いで45分、アイフェイズ社所在地目黒から約19時間。
 12月25日、クリスマス 丁度日本の正月元旦の様な静かな一日。家族や親戚一同と七面鳥の豪華な食事を楽しむ。時々聞こえる教会のミサの歌声。一年で一番静かな日。
 12月31日、大晦日この小さな村も新年の準備です。村の若者達は、飾り終ったクリスマスツリーをトラクターで集めて廻り、近くの牧草地では、古い真鍮の大きなミルク缶の中にカーバイトと小量の水を入れ発生したガスに発火して、缶の蓋を大音響とともに吹き飛ばしています。オランダの農村に伝わる古い伝統(CARBID)。近隣の村村からも同じ音が聞こえています。元旦の0時には、除夜の鐘の代わりに隣近所の住民が新年の挨拶を交わしながら、盛大に花火を打ち上げます。オランダ全国でこの1時間に打ち上げられる花火は、総額約60億円と手足が20ー30本です。村のメインストリートでは、集められたクリスマスツリーに火がつけられて新年を迎えます。

 毎年、暮れになるとと言う諺を実感しています。
 日本では『左側通行』、オランダでは『右側通行』。「諺」を日本語と英語で比べてみると:
『所変われば品変わる』『So many countries, so many customs』

「一石二鳥」 => “Kill two birds with one stone”。
「悪事は千里を走る => “Bad news travels fast”。
「嵐の前の静けさ」 => “After a calm comes a storm”。
これらの例は、英語を読むとなんとなく日本語の諺を連想する事が出来ると思います。

「会うは別れの始め」 => “The best of friends must part”。
「悪銭身に付かず」 => “Ill get, ill spent”。
「あちらを立てれば、こちらが立たず」 => “It is hard to please all parties”。
「愛は小出しにする」 => “Love me little, love me long”。
これらの例は両方を読み比べてみると「なるほど。」と感じます。

「明日は明日の風が吹く」
“Let the morn come and the meat with it”
(明日は明日の食べ物を持ってくる)

「頭隠して尻隠さん」
“Ostrich Policy”
(ダチョウは追い詰められると砂に頭を突っ込んで隠れたつもりになるので)
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「頭禿げても浮気は止めぬ」
“The old coachman love the crack of the wipe”
(老馭者は鞭の音を好む)
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「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
“The danger past, and God forgotten”
(危険が去れば神は忘れ去られる)
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これらの例は、「エツ! こんな言い方!!」でしょうね。
特に「頭禿げても・・・」の英語版は色気も情緒もない感じです。
本当に「難波の葦は伊勢の浜萩」です。
          (オランダ在中 アイフェイズ元顧問(故)吉川昌治氏)